JOSE VOL.2が終了しホッとした3月5日、パーカニッションニストの大儀見元さんの計らいで、菊池成孔さんの《菊地成孔とペペ・トルメント・アスカラール》をBlue noteへ見に行かせてもらうことになった。Liveはスリリングで、深みがあって、境界線の見えないドラマの連続。こういう大人たちの存在を深く感謝する一夜となったわけだが、一緒に遊びに行ってくれたラッパーOMSBさんとサルサダンサーYUTAさんという異色のこの組みあわせに、急遽、JOSEアフタートーク企画インタビューを決行することになったのである。
OMSBさんは、《誰もいない道に彼がいる》いつもそんな存在感で、実力とセンス、類まれなる才能を持つ、レペゼンヒップホップなラッパー。
YUTAさんは、独特なセンスと確かな技術力で、一人孤高に立つ姿が勇ましい、誰もが認めるスーパーサルサダンサーである。
多くの大人たちが彼らの才能へ、ときめきを隠せないでいる今日この頃。
JOSEの感想を通して見えてくる、彼らが普段考えていること、感じていることをインタビューしてみました。途中、LIVE直後の大儀見氏が乱入。最後までお楽しみください。
ーーーーー本日は、急遽インタビューさせていただくことになりました。よろしくお願いします(笑)早速ですが、お二人にまずは、普段していることをお聞きしていきたいと思います。まずは、YUTA君。普段どんな場所でサルサダンスしてるの?
YUTA:最近は、スタジオで踊っていて、あんまり踊りにいかなくなっちゃた。でも、行くとしたら六本木になるのかな。
最近は大阪のサルサ場も熱い。たこやきサルサ・好きやねんサルサっていうネーミングの(笑)サルサイベントとか。
あと有岡さんオープンしたFLORE FUNとかいいスタジオだよ。
外国からゲストダンサーをいっぱい呼んでてね。*CUBANもON1,ON2も混ぜこぜで。
後は、ソーシャルのイベントに遊びに来ている方が、すごく上品な人が多いイメージ。
*CUBAN,ON1,ON2=CUBANはキューバのスタイルのサルサ、ON1はロサンゼルスのサルサ、ON2はニューヨークのサルサ
ーーーーー沖縄のラテンスポットは?
YUTA:SALSATINAはいい感じ。 那覇の飲み屋街にあるんだけど、お客様の95パーセントが軍人さん。異国って感じで面白い。お酒とかタバコを片手に踊ってる感じ。
ーーーーー面白そうですね。東京には、そういうラテンクラブってある?
YUTA:うーん、ないと思う。軍人さんは、基本、真面目な外国人の人が多いし、六本木とは、なんというかちょっと違うよね。
ーーーーーサルサの魅力をズバリ。教えてください。
YUTA:一般的によく言われるのは、言葉が必要なく、世界中どこでも、誰とでも踊れるところが、サルサの魅力だと感じてる人は多いと思うのだけど。
自分的には、見えにくいテクニックがいっぱいあるから、いつまでたっても新しいことが発見できるところ。今日もまた、発見して少し前に進めたかなって思ってる。
それと、ペアダンスは不特定多数の人と踊るから、
人によって、相手が自分にくれる感触が全然違って、重さとか、手とビジュアルで感じるんだけど。
自分と合うものに出会ったときの感動は一際。自分たち楽しいよねっていうのが、手をつないで踊るから余計に感じる部分かな。
ーーーーーへえ、なるほど。深いダンスですね。OMSBさんにもお話を伺いたいのですが、ヒップホップでオススメなパーティーというか、ホットスポットを教えてください。
OMSB:オススメのパーティーというか、高円寺のグラスルーツは、どんな音楽がかかっても良いフィーリングになって好きです。
ーーーーーずばり!ヒップホップの魅力を教えてください。
OMSB:ヒップホップの魅力は、バカなバカな分だけ、カッコよくなるところかな。
ーーーーーいただきました!!!ここでお二人に質問です。オススメな一曲を教えてください
YUTA: MICKEY TAVERASのMI HISTORIA ENTRE TUS DEDOS いつも聞いちゃう♡
OMSB:最近ハマってる曲は昔の曲ですが、Audio TwoのTop billin’て曲!!
ーーーーーそろそろ、ここで本題に!Jose Vol.2いかがでしたか?特徴的だったこととか、他にはないと感じたところがあったら教えて下さい。
YUTA:刺激的だった。楽しかったとかそういう簡単な感想じゃなくて。
出演するゲストの方たち、いろんなところから来るお客様、普段ラテン音楽を聞かなそうな人たちが、楽しそうにラテンで踊っている姿を見て、めっちゃ可能性を感じたし、なんか新しいダンスが生まれそうな予感がした。
後、LIVE、RAP、DANCE、DJが普通に交差するイベントってないじゃん。変じゃん(笑) これはちゃんといろんなところで、繋がってないとできないイベントだなって思いました。
OMSB:最後みんなで遊んだしね。
ーーーーーOMSさんはいかがですか?
OMSB:僕は、未知っていうか(笑)自分が、全然通って来なかった道に、何かの縁だと思って来てみたんですけど、これやべーなって。すごいざっくりした言い方になっちゃうかもしれないけど、このパーティー誰も嫌いなやついないじゃんって。
ーーーーーうわ。それは、嬉しいお言葉!! なぜそう感じたのですか?
OMSB::だって、楽しませるためにやっている!っていうのが伝わってくるんですよね。
俺が会場に着いた時は、Banderasさんがちょうど演奏していたと思うのですが、入った瞬間から楽しんでくれ!っていうのが伝わってきて、こりゃ楽しんじゃおうって思えた。
ーーーーー普段、出演されているパーティーとは、だいぶ感じが違うとは思いますが、いかがでしたか?
OMSB:普段も、もちろん楽しいけど、やっぱり陽気さが違った(笑)
ーーーーー“陽気さ”がちがうとは?
OMSB:楽しみ方かな。結果として、とてもハッピーな感じがする。
YUTA: そういえば、僕、普段ラテン音楽って聞かない。お家で聞かない。
ーーーーーえっ!なんとラテンの貴公子YUTAさんが普段ラテンを聞かないだなんて、何聞いてるの?
YUTA: 70年代、80年代とか好きで、。椎名林檎さんとか(笑)ドリカムとか。シンガーソングライターの人とか。もちろん洋楽も聴くけど、一人になった時は静かになりたくて、むしろ泣きたいの(笑)一人でいると結構エモーショナル♡
そういう時間に面倒臭いことを発散して、みんなといる時は楽しみたい!!だからのあのラテンの陽気さはいいよね。
ーーーーーOMSBさんは、普段何聞かれるんですか?
OMSB:結局Hiphopになっちゃうんだけど、トラックも自分で作ったりするので、古いレコードとか、あんまりジャンルは関係なく、いいなって思えるものを聞いてます。
ーーーーーJOSEの未来に向けて、何かアドバイスをください。
YUTA:個人的には、もう少しダンスとラップをしっかり見たかった!ライヴの時って、音楽聞きたいというのもあるけど、演奏者の狂い加減を見たかったりするから、見やすい場所に移動しないと見れないくらい人が多くて。音響のこととか、柱とかが少しきになったかな。
ーーーーーなるほど、環境面ですね。
OMSB:俺は逆にあのバランスでよかったなと思ってて、ラップがあの割合で、あとはサルサをがっつり!!っていう。
やっぱり、”サルサの日”っていうテーマの中で、主役はあくまでもサルサ。別サイドの比率があのくらいっていうのがよかったというか。
ーーーーーなるほど。サルサが主役!!いい響き(笑)
確かに、比率の難しさってありますね。センス問われるというか(笑)他に何かありますか?
YUTA:サルサを普段聞かない人たちが、せっかく来てくれる場所だからこそ、ラテンの踊りをあの現場で見てみたいなって。もし、ラテンのこと知らずに、あの場に参加していたら、オリジナルのラテンダンスを知りたくなると思った。
ーーーーーなるほど!!
oms:あとは、間違いない実力を持っている人たちが出演してたんで、もっと、ジャンルに捉われず、知らない人たちをいっぱい呼びたいですね。
YUTA:なんか、親とか呼びたいなって思えた(笑)
ラテンて、ババアとガキが踊っているイメージがあって(笑)家族でも踊れるぜ!👍みたいな。saekoちゃんとお父さんと踊って欲しかった♡
ーーーーー父と私(笑)・・・・もしJOSEに出演していただけるとしたら、どんなことをしてみたいですか?
YUTA: いろんなサルサの踊り楽しみ方があるっていうのを知らない人たちに伝えられたらいいなって。音楽と踊りのつながりとか、ミュージシャンの人たちと一緒に、同じステップ踏んでみたり。
OMSB:俺は、演奏でラップしてみたい。なんならその日のために、できるだけ曲を作りたいなって思った。
《大儀見さん登場》
大儀見:リハーサルとかしちゃってね。
ーーーーーめちゃくちゃステキですぅ♡来年もワクワクしてきました。ここで、YUTAさんに質問です。ジャンルの違うダンサーの方がラテンミュージックで踊っていたと思うのですが何か感想をもたれましたか?
YUTA:やはり、太いビート、ベースの音を聞いて踊るんだなと感じた。
もちろんすんごくカッコよかったけど♡ 音楽とのマッチというか、サルサの音楽とで踊っていたからカッコよかったというよりは、ダンスそのものが素敵な印象でした。
ーーーーーOMSBさんにお聞きします。この日サルサ音楽をたくさん聴いていただいたと思うのですが、印象、共通点、ここが好きだったとか感想を教えて下さい。
OMSB: 第一印象思ったのは、やっぱり陽気なんだけど、ちょっと悪そうだよなって。
世間からしたら
少し悪そう(笑)。そういうの好き♡
ーーーーーそこは、普段の自分の音楽性と共通するところなんでしょうか?
OMSB:結局そういうところに俺、上がってるんだなって↑
ーーーーー面白い!!
OMSB:ただ悪いとかじゃなくて、ヤンキーが陽気な音楽をやってるから、かっこいい見たいな。
ーーーーー最終的に、ラテンビートでフリースタイル参加していただいたと思うのですが、そこに関しては?
OMSB: 俺は、正直、分離させてもよかったのかなと思ったり。音の違いを感じちゃうというか。
ーーーーーイベントの居心地は、よかったですか?
YUTA&OMSB:よかった!ただ、歩けないなくらい混んでた(笑)
ーーーーーJOSEへのエール、はたまた希望を最後にください。
大儀見:海外ゲストとか呼んでほしい(笑)
OMSB:俺は、年1しかやらないのかーって思って。せめて半年に1回とか(笑)
大儀見:(笑)9月6日あたりで、パート2みたいなね。
ーーーーー年に1度、この日だけは空けておかなくちゃ!って、カレンダーに書き込んでくれたら嬉しいですね。
YUTA:そういう意味では、年に1度ってすごいインパクトだよね。
必ず、誰でもこの日だけは空けておくっていう日ってあると思うんだけど。
何も予定みなくてもわかるみたいな。
ーーーーーうわーそれ、夢ですね。というわけで、本日は長いお時間アフタートークインタビューに付き合っていただきありがとうございました!!
インタビュー:YUTA & OMSB
ゲスト:大儀見元
インタビュアー:ダーリン.saeko
協力:間所直哉
企画 UWSTO
⭐️OMSB
神奈川県座間出身。B-Boy古典映画”Juice”を観てDJを目指すも、何をしたら良いのか分からずそのまま5年が経過。16歳の頃、既にドップリとhiphopに浸かっているOMSB少年はかつて想いを再燃させ、CDJとリズムマシンを購入。
今思えば、この時点で何かが間違っていた。
その後できた仲間たちがラップをしていたので、お前に出来て俺に出来ないはずが無いとラップを始めるも、直後大いに反省する。
紆余曲折ありながらも”ナンボのもんじゃい”の精神を貫き、自称”東方不敗のヒップホップ・ジーニアス”を名乗るが、未だ正当な評価を受けていない静かなマグマの様な男。
芸能に長けた離れ小島出身。
出生から、波乱に満ちたドラマティックな家族環境の中で何事もなく成長。
小学校低学年の頃、教卓に上って、”モーニング娘”を歌って踊る落多動症のトラブルメーカーであったが、 転校をきっかけに秀才へと成りすます。
11歳の頃、母親が趣味ではじめたサルサレッスンへ興味津々。サルサの持つ華麗さとエナジーに瞬時に魅了され、 “Studio Claverio”にてレッスンに通い始める。
中学校入学時に世間体とサルサの狭間で悩まされ、一時はハンドボール部を選択するも即退部。 この頃から自宅に巨大な鏡を設置、毎晩のレッスンと夜通しの自主練に明け暮れ、学校では謎の存在となっていった。
制服のデザインのみを基準に高校へと進学し、歳を取るためだけの三年間をスタートさせるも、サルサへの熱意は絶えることなく、更なるダンス技術と活動の飛躍を目的とし、 16歳の時に”Studio Creciendo En Baile” をオープンする。
在学中の三年間はスタジオ運営とバイク・ビリヤード・カラオケに精を出した。
サルサの聖地NYへと旅立ったのは、18歳の頃。
著名なインストラクターやパフォーマーのレッスンに参加してみるも、 大衆向けのレッスン内容では、特に身になるテクニックを得ることはできなかった。 そこでフリーダンスに力を注ぐことを決意。
トップソーシャルダンサーたちと肩を並べ、日々鍛錬を積み重ね至る所でフロアーを沸かせて廻った。当初、語学力の無さで上手く人々とコミュニケーションが交わせない自身を恨むも、 持ち合わせたダンススキルと表現力を武器にし、NY中のサルサ場で人気を集めていった。1年半に渡るNY修行を終え、数多くのダンサーに惜しまれつつも大きな目標を胸に帰国。 2010年上京、”Ishadow Salsa” を立ち上げる。
現在、まっすぐな視線と謙虚な姿勢。サルサを愛するもの独特な眼差しで、きめ細やかにサルサ伝えるスーパーインストラクターをしつつも、国内外サルサファンからの絶大な人気を誇り、異彩を放つ孤高のサルセーロとして活躍している。